介護施設における看護師の需要は、高齢化の進行に伴って年々増加傾向にあります。
2012年に日本看護協会が発表したデータによると、全国の在職中の看護師のうち、介護施設で働いているという看護師は全体の10パーセントほどとなっていますが、今後この割合も増えていくことが予想されます。
介護施設、なかでも有料老人ホームで働く看護師の仕事内容は、入居者の日々の健康チェックや配薬の管理、通院の際の付き添い、点滴や痰の吸引、褥瘡処置をはじめとする医療行為など多岐にわたります。
病院での仕事と比較すると利用者と一対一で向かい合う機会が多く、よりひとりひとりにあった看護を提供できるという点が、看護師が介護施設で働く際の魅力であると言えるでしょう。
そのほか、看護師が介護施設で働くことには、「育児や介護等での長いブランクがあっても入職しやすい」、「短時間から働けて、ワークライフバランスが取りやすい」、「看護とはまた違った、介護やターミナルケアのスキルを学んだり、身に付けたりすることができる」、「責任ある仕事でやりがいが感じられる」といったメリットがあります。
一方で、実際に介護施設で働く看護師からは「医療技術が低下する」、「病院よりも給与水準が低めである」、「オンコール(急患に対応するための待機)が多い」といったマイナスの声も聞かれます。
介護施設の形態や利用者の要介護度によっても条件や仕事内容は異なってくるため、介護施設で働くことを考えている場合には、どういった施設であるのかということや、入居者の要介護度はどのくらいであるのかということをしっかり確認しておくことが大切です。